妊婦をされた方は普段受けている歯科治療について心配されることがあります。
妊娠中でも普通に歯科の治療は行えます。 可能であれば安定期の治療がさらに望ましいと言われています。 まず、多くの方が心配されるレントゲン撮影について。 歯科で使われるエックス線の被爆量は非常に低いのです。 他科のレントゲン撮影に比べて5~10倍以上低い線量を用い、 鉛の入ったエプロンを装着しますのでお口以外にはエックス線が 当たらないように撮影します。 WHOの見解においても妊娠中のレントゲン撮影は問題ないとされています。
歯科治療の際には麻酔を行う場合が多いのですが、麻酔の注射も通常量なら問題ありません。 赤ちゃんが生まれるまで、ずっと歯の痛みを我慢しストレス下にいるほうが心身ともによくないのではないかと思います。 まずは、当院で相談してください。
妊娠中はお口の環境が変わりやすい時期です 妊娠中はプロゲステロンとエストロゲンという女性ホルモンの濃度が上昇します。妊娠の 12 週目から 13 週目にかけて歯肉縁下の細菌が妊娠初期から 5 倍に増加します。この細菌の増加と女性ホルモンの濃度の上昇が1つになって歯肉炎や歯周病を悪化させてしまいます。妊娠前に大丈夫でもこのようなホルモンの変化などにより、妊娠中様々な症状が出てきます。
- 歯肉炎
最も多くみられる症状です。歯と歯ぐきの縁と歯と歯の間の歯ぐきに濃赤色の腫れがおこります。放置しておくと歯周病に移行します。 - 妊娠種
歯肉炎の部分に発生します。頻度は 0 ~ 9.6 %と報告されています。出産後に小さくなるか、または消えます。 - 歯の動揺
歯ぐきの炎症によって起こります。妊娠による歯を支えている骨のミネラル量の変化も原因の1つです。 - 口腔乾燥
妊娠に伴うホルモンの変化で口腔の乾燥感が生じます。妊娠の 44% の方が口腔の乾燥感が気になるようです。 のような症状を起こさないためにも、歯ぐきの検査や磨き残しなどのチェックを受けご自分で磨ききれない細かい部分のプラークや歯石を取りクリーニングを行うことが必要です。
繰り返しになりますが、妊娠中も歯科治療は可能です。ご心配なことがある場合はご相談ください。